ユダヤ教の歴史





古代イスラエル

バビロン捕囚以前、つまり「ユダヤ人」が形成される以前の古代イスラエルの宗教は、ユダヤ教と区別して、「ヤハヴェ信仰」とか「古代イスラエルの宗教」と呼ぶ。





ユダヤ教の成立

バビロン捕囚後(紀元前539年)ユダヤに帰還したが、政治運動であるユダヤ王朝の復興は禁止されたままであったので断念し、古代イスラエル民族とヤハウェ宗教の伝統を継承し「エルサレム神殿の儀礼」と「神ヤハウェの教えである律法の遵守」を2本の柱とするユダヤ教団を形成した。

ここで「ユダヤ」とは、イスラエル十二部族の一つユダ族の居住していた地方の名である。





ユダヤ教の経緯

「ユダヤ教」を政治形態から見た大きな流れは、以下の通りである。

(1)脱出の共同体:紀元前1280年頃:モーセがヘブル人を中心とした集団をエジプトから脱出させ、シナイ山で神ヤハウェと契約を結ぶ(十戒、律法)


(2)部族連合の形態:約200年間:カナンに定着後、12部族からなるイスラエル民族とし、王は神ヤハウェであるので人間の王を立てずに、平等な社会を形成


(3)王国の形態:紀元前1020年頃から約400年間:外部からの防衛上必要悪として王を立てるが、平等な関係が崩壊し、支配・被支配の構造が作られる。預言者による王への批判が起こる。ダビデと子のソロモンの時代が有名。


(4)教団民族の形態:新バビロン帝国に王国が滅ぼされ(紀元前587年)、政治・宗教のエリート層の全員が捕囚され異郷の地で生活を強いられ、そこで長い間の民族神・神ヤハウェに対する深刻な葛藤・省察の後に、国はなくてもユダヤ教団として生きる道を選ぶ。